超わかりやすい!右手と左手を使って、税務署に支払う消費税の計算を理解しませんか
【こしだ会計事務所 ブログ 作成日:】
Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains. – Steve Jobs
シンプルは複雑よりも難しいかもしれない。シンプルな思考を得るには、考えを明瞭にするべく懸命に努力しなければならない。しかし、その価値はある。ひとたびそれを手に入れれば、山をも動かすことができるからだ。- スティーブ・ジョブズ
モヤモヤ悩みの会計士の「こしだ」です。
2023年10月のインボイス制度の開始が近づいてきましたね。
そんな中で、
・消費税の仕組みを一度ざっくりでも良いので知りたい
・でも、難しい説明は嫌だ
というかたがいらっしゃったら、是非に超簡単なこちらの消費税の仕組みのブログを読んでいってみてください。
消費税の仕組みがバッチリわかること間違いなしですよ。
では、さっそく初めていきますね。
以下では、消費税の部分だけを右手と左手に乗っけていってくださいね。
1.右手:お客さんからもらった消費税
お客さんと仕事をして、お客さんから代金100万円と消費税10万円を貰いました。
すると、右手に10万円の消費税が乗っかっています。
2.左手:外注先に支払った消費税
外注先に仕事をしてもらって、代金60万円と消費税6万円を支払ました。
すると、左手に6万円の消費税が乗っかっています。
3.右手と左手の差額を税務署に支払いましょう
今期のビジネスはこれがすべてだと仮定します。
その仮定を前提に、消費税の申告の計算と納税をしてみましょう。
すると、
右手の10万円と左手の6万円の差額、4万円を税務署に払うことになります。
4.もし、右手の方が下にあるなら返してもらえる(還付)
もし、右手が6万円で、左手が10万円なら、差額4万円は返してもらえます。ただし、儲かっていないということですよ。
5.左手の注意:消費税と関係のない支払がありますよ
誰かにお金を払ったからといって、それで必ず左手が重くなるとは限りません。
・給料や保険料、利息など
例えば、給料を払った場合です。あなたの給料明細に消費税がプラスされているのを見たことないですよね?
また、保険料や利息にも消費税は乗っかっていません。
・土地の賃料
土地の賃料は消費税が乗っかってきません。
一方で、オフィスなどの土地を含めた建物の家賃は、消費税が乗ってきます。
・海外での取引
海外へ行く国際航空券や海外で受けたサービスに対しては(日本の)消費税は乗ってきません。
・借入などのお金の返済
銀行からの借金を返済しても消費税は乗っかっていません。
6.インボイス制度が始まったらなおさら左手(支払うほうの消費税)に注意
インボイス制度が始まる2023年10月からは、さらに左手に注意が必要です。
なぜなら、年間の売上高が1千万円以下などの比較的小規模なビジネスで、かつ、インボイス事業者登録をしないと決めたので、
結果として税務署に消費税を支払ることのない免税事業者への支払には消費税が乗っかってこないからです。
このような外注先などへの支払は、左手に消費税を乗っけてはいけませんよ。
7.右手(受け取るほうの消費税)も念のために注意 助成金や保険金の受け取りなど
助成金や補助金など、国などの公的な所からもらったお金には、消費税は乗っかっていません。
また、事故があった時に支払われる保険金も同じです。
8.なぜ消費税が乗っかるものとそうでないものがあるのか(気になる人だけに)
・左手に乗っけることができるのは、事業者に支払った場合のみ
ということで、事業者でない従業員に支払った給料はダメということです。
この理由は、消費税を貰える人をできるだけ減らして、消費税を貰える人は消費税の申告が義務付けられている事業者にしぼり、
消費者が支払った消費税を確実に国が受け取れるようにするためです。
・「消費」という言葉になじまないものははじかれる
土地は無くならない、ということで「消費」という言葉に馴染まないですよね。ということで、土地についての賃料も同じ扱いになります。
・消費税を乗っけるのを国があまり良くないと思ったもの
保険や利息などです。
本来なら消費税が乗っかってくるものですが、国がそうしないように消費税のルールを決めたということです。
・サービスやモノをお金で買う(お金を使って物々交換をするイメージ)など(等価交換)以外のケース
サービスやモノをお金で支払って買うというのは、お金を使って物々交換をするのと同じようなイメージですよね。
払うものと受け取るものがあり、なおかつ、それがある程度バランスが取れています(等価交換)。
消費税が乗っかってくるのは、このような取引をした場合のみです。支払うお金ともらうサービスやモノがある程度、釣り合っているバランスが取れている必要があります。
事故などで保険金が支払われたり、損害賠償金を支払った場合などは、この釣り合いのバランスが崩れています。
少しの保険料の支払いでかなりの保険金が入って来たり、なにももらっていないのに巨額の賠償金を払ったりするケースなどです。
ですので、これらのお金の流れには消費税は乗っかってきません。