海外でビジネスをする場合の、日本の税金のリスク

【こしだ会計事務所 ブログ 作成日:

“The past is a foreign country: they do things differently there.” – L.P. Hartley

“過去は外国であり、そこではやり方が違う” ー L.P.ハートリー

 

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日本で起業する英語話者の経営者や会社の会計税務面を中心としたサポートや、日本企業の海外進出のサポートに力を入れている公認会計士・税理士の越田です。

 

海外でビジネスを展開する場合、税金でいろいろなリスクが発生します。今回は、海外でビジネスをする際に、日本の税金で生じるリスクについて、ざっくり簡単に説明致します。

 

1.海外に子会社を設立した場合

日本の企業が海外に子会社を設立すると、今まで通りの日本の会社としての日本での税金の支払に加えて、子会社を設立した国で税金を支払う必要があります。

 

そして、日本で支払う税金についても、今までは考えなくて良かったさまざまな税務リスクが発生します。これは、日本の会社の利益を、海外の子会社に移転して、トータル的に見て支払う税金を減らしているのではないかと、日本の税務署が疑っているからです。

 

 

例えば、日本の法人税の実効税率は34%程度ですが、例えば税率が20%の国に子会社を作って利益をそちらに移転させれば、トータルで見た税金は少なくなります。

 

そのため、このような過度の節税行為を防止する仕組みとして、Controlled Forign Company税制「CFC税制」という仕組みが設けられています。

これは、一定条件の海外子会社で生じた所得を日本の親会社の所得として合算して課税する仕組みです。

 

 

また、子会社に安く商品を売ったり、子会社から高く商品を買ったりするなど、過度に国内の所得と税金を減らすことを防止する税の仕組みとして、移転価格税制というものがあります。

 

これらの税制は、世界展開を広くしている上場会社などの大きな会社がメインターゲットとなりますが、売上数十億円規模の中堅会社などの場合も、通常の税務調査の中で、海外子会社との取引については重点的に調査の対象になります。

 

例えば海外子会社の経理などのバックオフィス業務を日本の親会社が行っている場合、それを無償で行っている場合は税務調査で、子会社に提供したサービスの適切な対価を売上として計上するように求められます。

 

また、海外子会社の社長などが、日本の本社の役員を兼任している場合は、その役員報酬は日本の本社が20%程度の源泉徴収をする必要があります。日本の非居住者なので、日本でワークをしない場合は日本で所得は発生せず、本来なら源泉徴収する必要はないのですが、本社の役員は日本とのつながりが密接なので例外として日本で課税されます。

 

2.海外に支店を開設した場合

この場合は、日本の会社は全世界での所得に対して課税されるので、支店の売上、原価、経費などが全て日本の会社の所得として課税されます。なのでCFC税制や移転価格税制など、日本の税金で気を付けることは減ります。

 

一方で、進出先の外国でも所得に応じて税金を納めることになるので、全世界所得に課税される日本の税金と外国の税金を重複して払うことになります。

 

これについては、外国税額控除という制度を使って、外国で払った税金を日本で払う税金から控除できるのですが、要件が厳格で、進出国との租税条約の内容などによっては税務リスクが高い論点となります。

 

 

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